同じ楽譜を見て弾いても、演奏に違いが出る理由 その2  強弱をコントロールして表現力を高める

こんにちは。葛飾区白鳥ゆめピアノ教室のいしごうおかです。

今回は、同じ楽譜を見て弾いても、演奏に違いが出る理由 その2
ピアノの強弱をコントロールして表現力を高めるです

フォルテは「強い」、ピアノは「弱い」だけではない!

譜面にf(フォルテ)がでてくると単純に音量を「強く」、そしてp(ピアノ)がでてくると「弱く」弾くという人が意外に多いものです。

その結果、何の曲を弾いてもフォルテは力任せに弾いた乱暴な大きな音、ピアノは痩せ細ってかすれたような小さな音で弾くことになりがちです。

フォルテとピアノは、単に「強い」「弱い」というだけでなく、その曲が書かれた時代や作曲家、曲調、ジャンルなどによってふさわしい音や弾き方は違います。

たとえば、モーツァルトの「トルコ行進曲」とドビュッシーの「アラベスク」の冒頭には、どちらも同じ「p (ピアノ)」の表記があります

同じようにただ弱く弾けばいいというわけではありません。
モーツァルトは、ひとつずつの音の粒がはっきり聞こえる軽快な雰囲気のピアノ。
一方ドビュッシーは、音の粒のひとつずつよりも横の流れがなめらかに聞こえる柔らかい雰囲気のピアノ

作曲家のスタイル、時代、曲調にふさわしい弾き方です。

また、悲しげな音、躍動感のある音、怒りの音、歓喜の音……など、音にはその箇所に合ったニュアンスがあります
音量だけではなく、どのような雰囲気の音がふさわしいかを常に意識しながら弾くことが、表現力豊かな演奏の第一歩となります。

フォルテ(強い音)を弾く時に注意すべきポイント

強い音を弾こうとすると体に力が入り、叩いたような乱暴な音色になってしまいがち。
現代音楽の中には、そのような打楽器的な音色を必要とする曲もありますが、それら一部のスタイルの曲を除いて、ふつうはどんなに大音量でも音楽的な音でなければいけません。

堂々とした雰囲気や感情の高まり、壮大な場面を表現するフォルテの音を弾く時には、手首や肩、腕は力まないで、体重を乗せて弾く感じ。
力任せに弾くと、音量は出ても汚い音になるので気をつけましょう。

ピアノ(弱い音)を弾く時に注意すべきポイント

できるだけ弱い音で弾こうとすると、指先の力を抜いて鍵盤をそっと浅く撫でるようなタッチになりがちですが、それではホールの後方まで響くような弱音は弾けません。
どんなに小さな音でも、痩せて響きのない音色になったり、聞こえたり聞こえなかったり不安定な演奏にならないように気をつけましょう。

また、弱い音を弾く時は、強い音を弾く時以上に肩や腕に力が入ってしまいがち。
特に、肩が上がっていると指先でつつくようなタッチになり、音が抜けやすくなるので注意しましょう。

音量のコントロールと言うと、どうしても力で調整するイメージがあります。
メロディーなど音を浮き立たせたい場合は指を立て、伴奏などやわらかい音色で弱く弾きたい場合は指を少し寝かせる
指のどの部分で打鍵するか、また打鍵の速さによっても音量やニュアンスは変わります。

いろいろ試して、その場面にふさわしい音作りを心がけるようにしてください。