ツエルニーが弾けたら、ピアノ曲は何でも弾けるの?

こんにちは。葛飾区ゆめピアノ教室のいしごうおかです。

ピアノの練習曲として、ハノンに並んでツエルニーが有名です。

 

ツェルニーはベートーヴェンの弟子でありリストの師匠。
そのため ベートーヴェン-ツェルニー-リストという系譜があり、ベートーヴェンやリストの難曲をバリバリ弾きこなすためには、 有効な練習曲とも言われています。

趣味でピアノを楽しむ方に、今一度よく考えてもらいたいことがあります。

 

今現在、どのようなスタンスでピアノに向かっていて、今後、どのような楽しみ方をしたいのか、 最終的にはどのような作曲家のどのような作品を弾けるようになりたいのか、です。

ツエルニー
もし、ベートーヴェンやリストの作品にあまり興味がなく、 ショパンやドビュッシーのようなロマン派から近代にかけての作品を美しく弾きたいという目標をお持ちでしたら、 残念ながら、ツェルニーの練習曲はあまり役に立つとは言えないです。

ツェルニーは音階やアルペジオといった、古典派の作品を弾く上で最重要となる基礎技術の上達に焦点を絞って書かれています。

 

ショパンの場合、音階やアルペジオが速く正確に弾けるようになったからと言って、それで弾けると言うほど単純なものではない。
複雑極まりない動きの組み合わせによって成り立っています。

 

これはツェルニーの練習曲ではカバーしきれないもので、「ツェルニーの練習曲をしっかり弾けるようになったからもう何でも弾ける」 というとんでもない誤解、錯覚が、ショパンを弾く上で非常に大きな弊害となりうるということです。

 

このような事態を避けるためにも、ツェルニーの練習曲は目的と必要に応じて使い分けていただきたいのです。