手や鍵盤を見ないでピアノを弾く方法

こんにちは。葛飾区ゆめピアノ教室のいしごうおかです。

ピアノというのは、基本的には鍵盤を見ないで弾けます。
鍵盤の感覚を頭のイメージと手でつかんでいるからです。これができれば、上達への早道であり非常に重要です。


ピアノは鍵盤や指を見て弾かないもの

楽器というのは、どんな楽器でも動かしている指を見て弾くことはありません。
バイオリンやギターのような弦楽器は、基本的には弦を押さえる指は奏者は感覚で動かしていますし、クラリネットのような管楽器では指を見て弾くなんてありえません。
ピアノも同じなのです。

ピアノも、鍵盤や指を見て弾くものではありません。
もちろん、指や鍵盤を見ても弾けますし、見ないと弾けない箇所があるのも事実ですが、普段は指を見る必要性がないのです。
また、手を見ていては、初見演奏だってできません。
目は普段の練習では楽譜を見ることに専念しましょう。

指や鍵盤を見ないで、楽譜を見ながら弾くことが、譜読みの達人への第一歩だと思ってください。


鍵盤を感覚で弾こう

指や鍵盤を見ないで弾くと言われても「そんな難しいことできるはずないじゃないか!」という、お叱りをいただいてしまいそうですね。
でも、実はそんなに難しいことではありません。

日常生活を振り返ってみると、目で見ないでやっている動作や行動というのは、かなりあるように思います。
ハミガキは、歯の位置ひとつひとつ全部見ながらでなくてもできますし、耳掃除なども感覚でやりますよね。
体ではなくても、スマートホンの操作も、いちいち見ないでもできそうです

そう考えて見ると、指の感覚でやっている動作は、他にも沢山あります。
ですから、ピアノの鍵盤を弾くということも、指の感覚で十分にできるのです。

 


鍵盤を見ないで弾くを実践!の前に

それでは、今日から早速、鍵盤を見ないでピアノを弾くようにしましょう!といっても、今までの鍵盤と指を見て弾くクセがついているのに、いきなり今日から見るなと言われても…と不安に思うかもしれません。
そんな方のために、導入方法を…とその前にチェックを。
まずは下のようにやってみてください。。

まず、弾きなれた曲の楽譜を用意してください。とりあえず何でもいいです。そして、楽譜を見ながら、というか、鍵盤を見ないようにして、ピアノを弾き始めてください。

いかがでしょう。
いつも弾いている曲が、楽譜を見ながら鍵盤を見ないである程度弾けるのなら、特別やることはありません。次から、新しい曲に挑戦するときも、そのように楽譜を見ながら弾くクセをつけてください。
いつも弾いている曲が、鍵盤を見ないと弾けないという方や、完全に鍵盤を見るクセがついているという自信がある方(?)は、以下の方法を試してみてください。


鍵盤を見ないで弾くをはじめる

それでは、鍵盤感覚をつかむことからはじめましょう。
右手は鍵穴近くのドに親指を、左手はその1オクターブ下のドに小指を置いて、両手ともドレミファソを弾ける状態にします(ここまでは、もちろん鍵盤を見てください)。

ここから先は、原則として鍵盤や指を見ないで挑戦してください

その位置を仮に定位置として、ドレミファソファミレドと弾きます。これは誰でも大丈夫ですね。
では、ド#やレ#などの黒鍵を近い指で弾いてみてください。どうでしょうか。想像した位置に、黒鍵はありましたか?このとき、想像した位置に黒鍵が無くて弾き間違えたりしても、鍵盤をすぐに見ないで、指でさぐるようにして黒鍵の位置を確かめてください。

音階も弾いてみましょう。両手を定位置に、そこからドレミファソラシドと上がってから、下がってみます。それほど難しくはないでしょうが、親指を軽くまたぐときやくぐらせるときに、違う鍵盤に触れてしまったり、違う音を弾いてしまうかもしれません。でも、このときも、すぐに指を見ないで、感覚で正しい位置をさぐってください。

 

 

ここまでは、ピアノを日常弾いている人は、だいたいできると思います。それは隣り合った鍵盤を弾くからです。では、分散和音のように、離れた鍵盤を弾いてみることに挑戦です。

 

 

両手の定位置に、下からド・ミ・ソ・ドとのぼり、ド・ソ・ミ・ドと降りてきましょう。うまくできるでしょうか。他にもパターンを増やして、ド・ファ・ラ・ド・ラ・ファ・ドや、シ・レ・ソ・シ・ソ・レ・ソなどでやってみましょう。

 

 

これらの分散和音がすらすらと弾けるようであれば、ほどほどの鍵盤感覚を持っていますので、次回に挑戦する新しい曲から、楽譜を見て弾くようにしてください。
分散和音を鍵盤を見ないと弾けないという方は、さらに下に進んでください。

ピアノランドでは…。

ピアノランドの2段階導入法では、1の指で度を弾き、2の指を、レ,ミ、ファ、ソと広げる練習をします。
同じように、3の指、4,5の指も。

鍵盤ポジション感覚、と樹原先生はよんでいらっしゃいますが、これを養うためにかなりのページを割いています

 

 


目で見て、確認してからもう一度

鍵盤を見ないで、上記の分散和音がスラスラと弾けない方は、約1オクターブの鍵盤感覚を把握できていないことになります。つまり、いつも鍵盤を見ているのに、実はそのとき弾く個々の鍵盤のみを見ていて、広くは見ていないのです。
ですので、目で鍵盤を見て、ある程度の鍵盤感覚をつかみます。

定位置に両手を置いて、鍵盤を目で見ながら、先ほどの分散和音を弾いてみましょう。当たり前ですが、弾けますね。
大事なのは、鍵盤を位置をイメージで捉えるように、見ることです。
では、次はまた鍵盤を見ないで、分散和音を弾きます。
このとき、かなりゆっくりと弾いてみましょう。鍵盤の位置を確かめるように、先ほど見てイメージを頭に入れた鍵盤を想像するように弾きます。

そしてここが重要!、違う音を弾いてしまわないように。違う音を弾きそうに不安があったら、となりの鍵盤や黒鍵に軽く触れるようにすると、弾こうとする鍵盤が、だいたいあっているか間違っているかがわかると思います。

 

 

この、鍵盤の位置を正しく把握できていないと思ったときに、近くの白鍵や黒鍵を触ってみて、これから弾く鍵盤の位置をつかむというのが、とても重要なことです。本来は、今弾いている鍵盤の位置から、次に弾く鍵盤の位置を全て把握できればいいのですが、慣れないうちは、他の鍵盤を軽く触ることによって、鍵盤感覚を養ってください。

こういった練習をして、1オクターブの鍵盤感覚をだいたい把握できれば、あとは普段から曲を練習するときに、楽譜を見て弾く意識を常にもって、鍵盤や手を見ないようにします。

 

 

慣れないうちは、音をはずすことも、結構多いかもしれません。
でも、何度も言っているように、すぐに鍵盤を見ないで、手の感覚で弾く音を見つけてください。

それによって、少しずつ感覚もするどくなっていき、見ないで弾ける鍵盤の領域が、1オクターブから1オクターブ半・2オクターブへと、どんどん広がっていきますし、複雑な動きも、感覚のみで弾けるようになります。。

また、曲のレベルが上がっていくほど、低音から高音までの広い音域を使う曲が増えるので、両手を見て演奏することが困難になってきます。つまり、早い段階でこの鍵盤感覚をつかんでいるほど、のちに楽をできるのです。

そうすれば、たとえ自分の鍵盤把握感覚を超えているような曲を弾くときでも、例えば、音が大きく跳ぶ左手を見るようにして、右手は複雑なパッセージでも見ないで弾けるなどの手段を取ることができるので、ミスタッチの心配も少ないのです。