こんにちは。葛飾区ゆめピアノ教室のいしごうおかです。
ピアノを習い始めて楽譜を読むことに慣れ、ある程度のスピードで指が動くようになった頃に取り組む定番教則本のブルグミュラー「25の練習曲」。
その中でも第2番の”アラベスク”は、優美でありながら躍動感にあふれた人気の曲
でも上手に弾くには様々な課題が……。
アラベスク”をカッコよく弾きこなすための練習ポイントをご紹介しましょう。
アラベスクとはどういう意味?
「アラベスク」とは、アラビア風の装飾模様のこと。植物の蔓や花、星形の組み合わせなど幾何学的なデザインで、イスラムのモスク壁面などに見られます。
音楽では、このデザインの印象を音で表現して、装飾的で技巧的な音型を散りばめた幻想的な作品という意味。
絶対にクリアしたい3つの課題と練習法
■課題1: 安定した2拍子を保つ
「アラベスク」の冒頭2小節は、左手和音だけの前奏です。
テンポ感がつかみづらく、最初のうちは、右手が入ってくると突然遅くなったり速くなったりしてしまいがち。
そこで、右手がある程度速いテンポで弾けるようになるまで、休符になっている前奏部分も、音を入れて弾いてみてください。
テンポを変えず安定した2拍子を保つことができます。
■課題2: 16分音符を揃えて弾く
「アラベスク」のメインモチーフである軽やかな4つの16分音符。
指がすべってしまう、凸凹してきれいに弾けない……など、苦労した経験は誰でもあるのではないでしょうか。特に中間部に出てくる左手の16分音符はハードルが一段と高くなりますね。
きれいに弾けない原因は、指の一本一本がしっかり独立していないために、動くスピードが微妙に速かったり遅かったり、また強かったり弱かったりするからです。
指の一本一本を独立してコントロールできるようにするために、
スタッカートで弾いてみたりそれぞれの音を2回ずつ弾いてみるなど様々なバリエーションをつけると、徐々に指がしっかり動くようになってきます
■課題3: 跳躍を確実におさえる
「アラベスク」の最後は、16分音符4つのモチーフが音量を上げながらどんどん上昇していき、突然一気に落下、そしてすぐにジャンプしてフィニッシュを決めるというドラマティックなしめくくり! 跳躍を確実におさえカッコよく終えたいものです。
片手ずつの反復練習はもちろん、無駄な動きをしていないかチェックしたり、メトロノームを使ってゆっくりのテンポから徐々に上げていくなどの練習を重ね、跳躍の距離をしっかり体に覚えこませていきましょう。
さまざまなピアノ基礎テクニックの課題を含んだブルグミュラーの練習曲。その一曲一曲の課題をしっかりクリアしていくことが、ショパンやシューマンといった同じロマン派の曲を美しく弾くための大切なベースとなります。