ピアノ教本の進みが遅い人の良い点

こんにちは。葛飾区ゆめピアノ教室のいしごうおかです。

ピアノレッスンで、教本が早く進むと嬉しいですね。

進みが早い人が、曲が上手に弾けるか。

そうでもありません。

楽譜進度が遅いからこそ片手の練習を必ずする。

同じ曲を長く弾いていますから、内容も深く、また音の質についても細かく指導することができます。

伴奏の中でも最低音のバスの音は少し強く、他の音は本当に軽くなど、細かいことまで要求するので、聴く耳も育ちます。

また右手のメロディーも、音がでていればいいのではなく音の質まで。
レッスン30分で1曲ですから、ゆっくりとこのような音質とフレーズなどについての勉強ができるわけです。

 

進度の遅い人たちには、良い点がもう一つあります。
4分音符までの長く伸ばす音符の習得に時間をかけられたこと、これも重要です。

4分音符の半分の長さしかない短い8分音符がでてきてしまうと、ある程度テンポが速くなります。

 

ですから、本来身につけるべき指をしっかり支え、押さえておくということが、必要なくなってしまう。

そして、長く伸びている音をじっくり聴く耳が、育ちにくくなるのだなと感じました。

つまり、ゆっくり進めていくことで、音楽の本質にかかわる指導ができていたのです。

 

このようにいろいろな進度のレッスンをしてその都度考えをめぐらせると、どうやらピアノ教本の進度と真の実力とは比例しないことのほうが多い、と言えそうなのです。