ピアノで指が思うように動く 練習法

こんにちは。葛飾区ゆめピアノ教室のいしごうおかです。

「指が思うように動かない」、これはピアノを弾く全ての人に共通する悩みではないか、と思います。 初心者のときによく悩むのが、右手の動きに左手の動きがつられてしまう、またはその逆では ないかと思います

左右それぞれ5本の指を鍛えるだけでなく、右手と左手の役割分担を、頭の中で きちんと出来ることも、ピアノを弾く上では大切になり、それらを含めて「指が自由に動く」と 表現するわけです。

指の運動神経で、ピアノを弾く人が求める要素は、主に次の4点に分類されると思います。

1. 速さ
2. 強さ
3.柔軟性
4.正確さ

これらは互いに関連性があるものですが、一応別の要素として捉えることが大切です。
それでは、これらの要素について具体的に説明していきます。

1. 速さ

「指の動く速さ」というのは、主に指の瞬発力のことです。
音の粒が 揃うかどうかは構わずに、音階をどの程度のスピードで弾けるか、と言い換えても良いと思います。

速く弾くだけならいくらでも弾けそう、という人から限界を感じる人まで様々で、 この「速さ」は、意外に個人差が大きい要素ではないか、と思います。
これが備わっている人は、完成度はともかく、理屈から言えば、大抵の曲は全ての音を拾う弾き方ができるはずです。
その意味で、この「速さ」は全ての演奏テクニックに優先する要素と言えます。

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2. 強さ

次の「強く」は、各指の筋力と独立性に深く関わっています。
つまり、左右各5本の指が付け根から独立して 強い筋力を発揮できる構造になっているかどうか、です。

これは、普段からハノン、ツェルニーなどで地道に 基礎を積み上げることで獲得できる要素で、長年に渡る意識的な努力が必要だと思います。
特に、瞬発力に恵まれている人は、その瞬発力で指の独立性をカバーする弾き方ができるようなので、 注意してほしいと思います。

できるだけ瞬発力に頼らず、一音一音、自分の耳で聴きながらゆっくりと 粒を揃える練習をしてみてください。
案外、指が独立せずにフラフラしていることに気づくと思います。

特に利き手ではない方の手(多くの場合、左手)の特に弱い、4、5指は意識的に強化するようにしてください。
ピアノにおいては、筋力的に弱い4,5指が外声部を受け持つことが多く、重要な役割を担います。
具体的には、右手の4指、5指では最重要の旋律部を受け持ち、一方、左手の4指、5指では 和声において重要なバスを受け持つことが多いです。
4指と5指の強化は ピアノの演奏技術の最重要課題ともなっています。 また、「指の強さ」は、項目4の「正確さ」を獲得する上で重要な要素になります。

 

3.柔軟性

「柔軟性」、これは、指だけでなく、手首、肘、肩、ひいては全身を使う奏法を意識して、 全身の力を無理なく使って合理的に演奏する方法を身につける必要性を示しています。
これは脱力とも深い関わりがあり、難曲を弾きこなす上で必要になる考え方なので、 指の訓練とともに常に意識しながら取り組むことが必要です。

レッスンでは、「プレピアノランド」を使って初期から柔軟性の練習をしています。

 

4.正確さ

速く、強く、柔軟に動く指を持っていれば、その動きも自然に正確になってくるものですが、 その正確さを司るのは、「耳」だと思います。
パッセージが滑らかで凹凸なく弾けているかを 判断するのは「耳」ですよね。
その肝心の耳が出来ていなければ、鍛えられたテクニックが 宝の持ち腐れとなってしまう場合が生じることもあるわけです。

自分の弾いている音を注意深く聴いて、 きれいに弾けていない部分は遅いテンポで正しい弾き方を何度もしつこく繰り返して、 記憶を定着させていくことで、正しい弾き方に変えていく必要があります。