ピアノの練習時間 どれくらいがベスト?

こんにちは。葛飾区ゆめピアノ教室のいしごうおかです。

「毎日のピアノ練習時間ってどれくらいがベストですか?」 

このような質問をいただくことがよくありますが、練習時間は年齢や性格、目標や曲目によって異なります。

一日中外で走り回っている活発なお子様にとっては、毎日30分の練習は苦痛かもしれませんが、コンクールを控えている学生さんには一日30分の練習は短いかもしれません。

『練習時間』を决めて練習するのではなく『練習目標』を决めて練習する

例えば・・・

ピアノの練習よりも、外でビッショリ汗をかきながら走りまわっていたい子。

そんな生徒さんには、毎日30分の練習は苦痛かもしれません。
走る子
でも「今日はここまでを覚えられたら終わり」「この部分がメトロノームに合うようになるまで」と言う練習方法なら、目標を持って効率良く練習出来ます。

『練習目標』について、もう少しつけ加えます。
目標といっても、あまりに漠然とした大きな目標だけを持つのは、よくありません。

それと同時に小さく具体的な目標も持つほうが、達成率は高くなるのです。


(1)「3ヶ月で発表会の曲を完成させる」


そのためには、

(2) 「まずは、1ヶ月でフレーズを感じながら 弾けるようにする」


そのためには、

(3) 「15日間で暗譜する」


そのためには、

(4) 「1日目は、○小節(1フレーズ)の右手・左手・両手練習とメトロノーム練習。2日目は、1日目の復習と次の○小節を同じように。3日目はそこまでの復習と次の○小節を練習。できるだけ楽譜を見ないで弾いてみる。4日目、5日目・・・と暗譜して弾ける部分を増やしていく」

地道な練習です

少しステップアップした曲に挑戦するときなどは、終止線までたどり着くように何度も弾くよりも、小さな目標を立てて練習することで、練習意欲を保ちながら練習することができます。

ただ、ここで一つ注意しなければいけないことがあります。

例えば、「この曲を3回弾けば よし!」といった作業的な目標を決めてしまうと、あくまで手段としての目標にもかかわらず、それそのものが目的になってしまいがち・・・

つまり「とにかく、3回弾けばいいや!」と安易に考えてしまいます。そうなると、「3回弾く」こと自体が目的になってしまい、本当に達成しなければならない大きな目的を見失ってしまうのです。

楽譜に「右手何回、両手何回」のように、宿題を指示することがたまにあります。

お母さんたちに人気のある方法ですが、私はあまり好きではありません。
3回弾けばいいや、と、投げやりな感じで音だけ出てる練習になりがちだからです。

同じように、時間を決めた練習も、時間だけやればいいとなりがち。
ただ、毎日ピアノを練習する習慣をつける意味では、必要かもしれません

一曲を自分のものとして習得するとき、そこには必ず全体を通して学ぶべき技術や音楽的感覚、表現があります。

モーツアルトにはモーツアルトの、ショパンにはショパン独特の感性、雰囲気、そしてテクニックがあります。

ベートーヴェンの音楽には、まるでゴシック建築の大聖堂のように力強い美しさと知性が備わっています。

そういった全体に流れている音楽的生命や骨組みを、頭と心、そして全身を通して深く学ぶところに、ピアノ音楽を学ぶ本当の意義があると思うのです。

ですから、本来の目的を忘れないようにしながら、『練習目標』を設定していくことが大切です。
とくに、小さなお子さんなら、なおさらですね。

ぜひ、ご自身に合った無理のない『練習目標』をクリアし、充実した練習時間を送っていただきたいと思います。