ピアノ教本「バイエル」はよくないの?

こんにちは。葛飾区ゆめピアノ教室のいしごうおかです。

ピアノ教則本「バイエル」はよくないんですか。

これは本当によく聞かれる質問です。

いいとかよくないとかいう答えは、ちょっと乱暴かなと思います。

まず、どんな教則本でもすべてよくて欠点がないということはありません。
譜読みに重点を置くと、少しフォームに無理があったり、つまずかないことに重点を置くと曲が退屈になったりします。

そして、どんなに優れた教則本でも、先生の使い方次第です。

すべてを満たす本がない以上、ほかの何かで補っていかなくてはなりません。
バイエル

バイエルがなぜよくないといわれがちなのか。
「古い」からです。

教則本は、その時代に演奏されている曲が弾けるように作られています。
ツエルニーだったら、バッハのソナタが弾けるような練習が組み込まれています。

バイエルの時代には、まだドビュッシーやラベルは生まれていません。
ですから、バイエルを練習すると、「ドそみそ」の伴奏が多用されたモーツアルト、ベートーヴェンは上手になりますが、
印象派以降の近現代の曲には対応していないのです。

もう一つ、バイエルが日本に入ってきた時代には、ほかの教則本がなかったこと。
そして、日本の多くの家庭が専業主婦世帯だったことがあります。

お母さんが時間に余裕があり、家でゆっくりこどものピアノ練習を見てあげられた。
そういう条件が整っていて、バイエルはうまく使われていたんですね。

今現在、こどもの生徒さんに、バイエルを主教材として使っている先生は少ないと思います
でも、保育士の養成学校は、ほぼすべてバイエルを使います。

カワイのグレード試験課題曲もバイエルです。
本当に重要な1曲が選ばれているので、いいんじゃないかなと思って私は使っています。

今年も、東京都の幼稚園教諭に一人が採用
保育士資格試験に一人が合格しました。