こんにちは。ゆめピアノ教室のいしごうおかです
<テクニック>について。
皆さんが考えるテクニック、っていったい何でしょう?
「指がすごく回る」
「すっごい速さのおおきな和音の連打なんかがバンバン弾ける」???
そういえばこの夏休み中にとてもテクニックが身についてきた生徒さんが2人います。
音色が美しくなめらかになり、10指のバランスが如実に変わってきました。
曲のなかのイメージを音色そのものからも表現することができ、演奏に深みが増しました。
(ピアノ演奏上の)基本的な「からだ」の使い方と、
こういった雰囲気のこんな表情を奏でたいという「こころ」の部分、
そして拍感やリズムを厳格に理解し表現するための知恵を備えた「あたま」のはたらきが
相互に兼ね備わって、グングン伸びたという感触でした。
ステップアップとはまさにこのこと。
2人とも意欲と自信に満ちた面持ちに、笑顔が浮かびます。
テクニックとは、体、心、頭の調和
「からだ」と「こころ」と「あたま」が調和しなければ、ピアノはうまくゆきません。
この調和こそがテクニックだと考えています。
これら3要素の調和が、音楽するうえでとても大切なことなのです。
ピアノテクニックは、この「からだ」の面での指、手、腕の使い方に明確な示唆を与えるものと思います。
合理的に動く指を作りあげ、腕の重みをしっかりと支える指先を鍛え、腕を効果的に使える構えを体得する。・・・
学習者のなかには私のところに来てこうしたテクニックさえ学べばピアノが上達する、
と思っているひとがいて、まぁ、そういったひとは音楽の何たるかをはき違えている場合がほとんどです。
指の動きが多少スムーズになったからといって、
ピアノを演奏する上でのすべてでは決してありません。
リズムを習得し、曲の構成をとらえ、
調性を理解し、和声を聴き及び
作曲家の歴史的背景や文化的背景、
楽曲のなかの音楽記号からさまざまな表情をくみ取り思いやる広い教養がなければなりませんし、むしろそういった鍛錬のほうが先なのです。
例えば音階のようなシンプルな練習でも、
その要を得ていれば無理やり覚えなくても
カデンツの和音は自然と浮びあがってくるように弾けるはずです。
そこまで時間をかけて音階は弾きこまなくてはいけません。
カデンツでつまずくという時は、音階がまだまだ弾きこなせているとはいえません。
芸術的なインスピレーションをもって音階が弾けるように練習をかさねてゆくとき、
基本原理がわかっていればまちがった手の使い方は回避することが出来ますし、
合理的な練習に有効である、ということは言えるでしょう。
でもこの場合でも、まずさいしょにありきは、
美しくスケールを弾きたいと思う素直な気持ちですね。。