こんにちは。ゆめピアノ教室のいしごうおかです
小学高学年の生徒とこんなやりとり。
「う~ん、よく弾けているけど少し速いというか、マイテンポから外れていると思うな。
ちょっと先生には速いと感じられるのだけど、それって本当に弾きたいテンポ?」と言うと、本人には「ちょうどいい」と言う。
「それじゃ、どうしてそのテンポをちょうどいいと思うのか聞かせてみて?」
すると「う~~ん、・・・・・・弾きやすいから。」と返ってきた。
こうして答えてくれると、問題解決は早いものだ。
そうか、弾きやすい、っか。
意外な答えにしばし考え、でもすかさず、
「そうね、弾きやすいといえば弾きやすかもね。でもそれって弾みをつけているからなのよね。」とハ長調の音階をぐわっとすごいスピードで弾いてみせる。
「確かに速い。でもこれってきれい?」
首をかしげるその生徒にこんどは違う弾き方で、「どう?こっちのがきれいだよね?」
そうしてひとつひとつの音に心をこめて弾くことの違いを、
実際にふたとおりの弾き方で曲の最初の部分を比較させながら話してゆく。
話し終わると、彼女のバッハは激変。すばらしい。
自分で考えられたことが良かったです
バッハです。
同じテンポでも 異なるスピード感
不思議なことに同じ速さでも「騒々しい弾き方」と「ゆったりと感じさせる弾き方」というものがあります。
いろんな生徒さんがいます。
相当弾けるのに長いことまとまらない人もいるし、かと言えば、指が回るところまでかないも人も。
とりあえず弾ける生徒には音楽の精神性を伝えそれが受け留められて熟す時間が必要。
ピアノが大好きでそこまで来ているのだから断然有望格と信じるし、
雑な音に耳を汚すこともなく純粋に時間を送ってきているわけだから、これから音楽をいっぱい聴いて、いい音に触れて。
自分もそんな風に奏でたいと芯から思えるならば、これまた優れた有望格であり、楽しみなのです。