ピアノの椅子 少し後ろに下げてみると

こんにちは。ゆめピアノ教室のいしごうおかです

 

保育士、幼稚園教諭になるためにピアノのレッスンを受ける方がいます。

ピアノを習った経験はあるけれど、中断してしまったので弾けなくなっている方、

実技を「音楽」で受けようと考えているけれど、実はピアノを習った経験がないという方も、保育士試験受験者の方には数多くいらっしゃいます。
みうさんも一旦別の進路を取ることになり、ピアノを中断された方です。

レッスンにいらしたとき、視力が悪いとも思えないのに、椅子をとても近づけていらしたので、

「今おいている場所から、椅子を離してみて」

と指示を出しました。

その時置いていた場所よりも、2cm、後ろに引いていただいたのです。
そしてもう一度、課題曲の冒頭部分を弾いていただき、

「最初に弾いた時に比べてどうですか?」

と尋ねると、「全体を見通せるようになりました」という返事が返ってきました。

これが、初歩の方、ブランクのある方には非常に重要なのです。

なぜなら、特に視力が低いわけではなくても、初歩の方、読譜が苦手という方が見ているのは楽譜の「今弾いている音」1点になってしまうことが多いから。

楽譜を読んで演奏するためには「先読みをする」という作業が必要なのですが、それができないのが初歩者や譜読みが苦手な人です。

 

次の音、次の音型に気づくのが遅い。

それが、椅子の位置を5mm程度後ろに引くだけで、今弾いている音だけでなく、楽譜上の広い範囲が見えてきます。

音そのものだけでなく、記号や音型も。楽譜を近くで見てしまう人の中には、視力が低いという理由以外に、凝視しないと不安という心理状態も働いています。

でも、1点だけを凝視していると疲れてきますし、音楽の流れについては配慮できなくなります。

ちびっこちゃんたち(幼児~小学校低学年、小柄なお子さん)については、腕の角度が100度程度になる位置に椅子を引く。

 

それ以上の年齢の方は110~120度くらいになっても大丈夫です。

ピアノの後ろがすぐに壁!というところは、本当は置くのにふさわしい位置にピアノが置かれていないということになります。

ご家庭でもしそんな状態の場所に練習する楽器を置いているなら、余裕を持たせてくださいねと保護者の方にお願いすることもあります。
高学年のお子さん、大人の方はご自身で調整してくださいともお話します。

 

椅子が近すぎるとあまりよくない理由は他にもありますが、今回は「楽譜の全体を見通す」ために少し離したことで効果が上がった、という例でした。