こんにちは。ゆめピアノ教室のいしごうおかです。
<テクニック>について、ひとつ話しておきたいことがあります。
皆さんが考えるテクニック、っていったい何でしょう?
「指がすごく回る」「すっごい速さのおおきな和音の連打なんかがバンバン弾ける」???
「からだ」と「こころ」と「あたま」が調和しなければ、ピアノはうまくいきません。
この調和こそが私はテクニックだと考えています。
これら3要素の調和が、音楽するうえでとても大切なことなのです。
ピアノテクニックは、この「からだ」の面での指、手、腕の使い方に明確な示唆を与えるものと思います。
合理的に動く指を作りあげ、腕の重みをしっかりと支える指先を鍛え、
腕を効果的に使える構えを体得する。・・・
指の動きが多少スムーズになったからといって、ピアノを演奏する上でのすべてでは決してありません。
リズムを習得し、曲の構成をとらえ、調性を理解し、
和声を聴き及び、作曲家の歴史的背景や文化的背景、
楽曲のなかの音楽記号からさまざまな表情をくみ取り思いやる広い教養がなければなりませんし、むしろそういった鍛錬のほうが先なのです。
例えば音階のようなシンプルな練習でも、その要を得ていれば無理やり覚えなくてもカデンツの和音は自然と浮びあがってくるように弾けるはずです。
そこまで時間をかけて音階は弾きこまなくてはいけません。
カデンツでつまずくという時は、音階がまだまだ弾きこなせているとはいえません。
芸術的なインスピレーションをもって音階が弾けるように練習をかさねてゆくとき、基本原理がわかっていればまちがった手の使い方は回避することが出来ます。
合理的な練習に有効である、ということは言えるでしょう。
でもこの場合でも、まず最初にありきは、美しくスケールを弾きたいと思う素直な気持ちにほかなりません。