こんにちは。ゆめピアノ教室のいしごうおかです。
先日、とある生徒さん達とのやり取りの中で感心する事がありました。
1人目は幼稚園の男の子です。
発表会で弾く曲を決めようといくつかの候補を挙げると、すぐに「これがいい」と決まりました。3曲ほど挙げた候補曲は彼の知ってる曲もあれば知らない曲もありました。
彼はその中で知らない曲を選びました。
「どうしてこれを選んだのかな?」と聞くと、「この曲だったら僕でも右手の音が分かるし、長くないから弾けそうだと思った。」とのお返事が。
2人目は小学生の女の子です。
彼女は同じ時期にグレードにもチャレンジしようとしていました。
良く取り組んでいた矢先、彼女から言いづらそうに「…、先生にお話したい事があるんです。」と切り出し、伴奏のチャレンジは今回は辞めようと思います。との事。
続けて「グレードも発表会も一緒にやるとちゃんと取り組めるか不安です。
自分の練習の事も考えて今回は発表会の曲に専念したいです。」と話してくれました。
2人に共通しているのは、
・自分のキャパシティを自覚している
・それを他人に自分の口でアウトプット出来る
と言う事です。
これは自分自身にも生徒さんにも(年齢に関係なく)多く経験のある事です。
自分の能力と相談せずに高望みをして結果、中々成果を思うように出すことが出来なかったという事はレッスンでも起きます。
それについては毎回悩むところではあります。
「弾ける曲」と「弾きたい曲」がレベル的に合致していれば問題なく取り組めますが、毎回必ずしも両者が合致しているとは限りません。
もちろん、実力より背伸びをした曲に取り組むことによって大きな成長を得られる事も大切です。バランスよく見極めをする事が大切という事です。
弾きたい曲なら、難しくても頑張れる
弾きたい曲に取組む際のメリットはモチベーションが高いことです。
しかしあまり目に見えた手ごたえを感じられないとそのモチベーションも下がって、曲の完成を見ないまま飽きてしまうという事も多々あります。
今回の2人の例はその点において、生徒さん自身の持つ判断力を見せていただけた事例でした。
この判断力がレッスン室の外に出たあらゆるシチュエーションにも是非活かされると良いなと、嬉しく思った出来事でした。
余談ですが、2人目の女の子とのやり取りには続きがあって「
せっかく途中まで教えてもらったのに、辞めるって言って申し訳なくて…、ごめんなさい。」と。
そんなこと気にしてたなんて!きっと彼女はとても言い出しづらかったと思います。
でも保護者からでもなく、ちゃんと自分の口で伝えてくれてとても勇気ある行動でした。
「やりたい気持ちが強ければ、応援したくなるからそんな事は気にしなくて良いんだよ!」とお話しました。