こんにちは。ゆめピアノ教室のいしごうおかです。
保育系学生さんが、ピアノレッスンを挫折してしまう理由
ピアノを習うことが割と一般的な今の時代なのに、不思議と養成校の学生さんの中には「全く楽器経験がない」人も半数いるということがとても驚きでした。
つまり、未経験のまま入学した学生さんにとっては「初めてのことで不安」。
養成校のピアノレッスンは個人で週1回、10分程度のところが多いという話を生徒たちから聞きます。
全くわからない状態から2年で「バイエル」を終わり、童謡を自由に弾きながら歌うというスキルをつけるには、あまりにも時間が足りない。
全くわからないということは、練習の方法や音を読むことすらわかっていない人も多いということです。
わからない中でも必死でやってきますが、必死なので余裕がない。
「私、下手だからあんまり弾きたくない」
既に5年習っている人と、始めて半年の自分を比べても仕方がないんですけどね。
義務感を感じやすい
「養成校」というのは、大学・短大・専門学校で保育士や幼稚園教諭の資格を取るための科が設立されている学校、と簡単に説明してみます。「保育科」「幼児教育科」などの名称がついています。
そういう学校にはいる人は、目的意識ははっきりしています。
それはいいのですが、目的が「単位をとって卒業すること」「採用試験に受かること」で、その後保育の現場で音楽をどのように活用しようというビジョンはありません
高校卒業の18歳でそこまで考えられる子はむしろ少ない。
どちらかというと「やらされている」「仕方がないからやっている」という思考に陥りやすいのです。
「ピアノが弾けるようになりたい!」と目を輝かせてやって来る子どもたちや、「革命のエチュードが弾きたいんです」とあこがれを胸に訪れる大人の方とは様子が違います。
音楽が好き、ピアノが弾けるようになったら嬉しいなと思っている学生さんだけではないということです。
(ピアノ弾けるけど好きじゃないって子、実は音大生でもいるくらいですから)
ピアノや音楽演奏をすることに興味が持てない
その2にもつながりますが、そもそも「資格を得るため」「良い就職先に採用されるため」が第一目的の彼ら彼女たちは、「楽してできるようになりたい」「課題以外どうでもいい」というような考えに陥りやすいです。
初回レッスンで「どんな曲普段聞くの?」と尋ねても「べつに」「音楽とか聞かないです」
こちらがなんとか見繕ってバイエルにプラスして与えた曲集を「いつの間にかやってこなくなる」
必要なことだけやっていればいいという考えなのかもしれません。
興味がないことをやらなければならないのはかわいそうだなとは思いますが、資格を取りたい、就職したいなら、しないとね。
実習などでつまづき、絶望的になり、学校も退学
たった1回の失敗、叱責されたことが大きくのしかかってしまう子もいるようですね。
次で取り戻せばという思考になる子は、結構メンタルが強い子だと言えます。
「資格だけ取るので、単位を取るまでお願いします」
「自分はここにいちゃいけないんだ」って思いつめちゃうんですね。
どうにも動けないところに自分を追い込んでしまい、「学校をやめるのでピアノもやめます」と言われてこっちが
「え~!」
そうなる前に相談してくれればいいのに…。信頼されてなかったのかなと寂しい気持ちになったこともありました。
むしろ相談してよ!!ってピアノの先生は思ってるんですよ。
迷惑とか考えないで。相談してくれないで結論を出してしまうことが悲しいです。
信頼してもらえなかったのかなって思うの。
挫折じゃないけど続けられない理由もある
ずばり、経済問題ですね。
奨学金を借りている学生さんはとても多いです
返せない奨学金の問題もニュースに出ていますね。卒業できても就職先がないとか、保育職もお給料が安く、返すのに時間がかかります。
アルバイトをしている子も多いですが、中にはブラックバイト的な職場もあるようです。
【もう大学生だから、と、お子さんに丸投げしないでください】
今までにやめてしまった子の中には、保護者の方が「お子さんがレッスンを欠席していることを、こちらが電話しなければ知らなかった」方もいました。
お月謝が遅れぎみになっていたことも。(欠席しているからお月謝袋が渡せないという事情でしたが)
確かに、自己管理をするということは大切です。
ただ、まだまだ未熟な学生のこどもたち。
自分がちょっと気を抜いて「後で連絡すればいいや」と思って、結果的に連絡を忘れてしまうことが相手にどういうイメージを与えるか、というようなことまでは思いが及びません。
お子さんに成り代わって管理するのはやりすぎですが、時々はお子さんのやっているレッスンについて、関心を持っていただければと思います。
私は、レッスンをお引き受けしたその日からお子様の夢が叶うことを願い、責任を持って指導をいたします。私ができることは、ピアノの演奏技術や歌など、ほんのわずかなことではありますが、できることでお手伝いできればと考えています。
保育科入学してから慌ててピアノの対策をするのは、はっきり言って遅いのですが、やらないよりはやったほうがいいのです。
そして、採用されたから終わりではなく、現場に出ても鍛錬は続きます。